体に様々な悪影響をおよぼすトランス脂肪酸。その危険性から世界的に、規制対象になる動きが広がっていますね。しかし日本では表示義務さえなく、あなたも知らないうちにこの有害物質を摂取している可能性が高いんですよ。
目次
トランス脂肪酸とは
トランス脂肪酸は植物油を高熱処理したり水素添加など、人工的な加工の過程で生成される副産物の一種なんです。
その構造はプラスチックに似ており、食べ物というより工業製品に近いですね。殺人脂肪とも呼ばれており、細胞レベルで様々なダメージを与えます。コワイですよね。
ですので世界的に規制する国が増え、その危険性が指摘されています。ところが日本においては全く何の規制もありません。多くの企業が使用しています。
トランス脂肪酸が多用される理由は長期保存が可能という点です。保存料を不使用にできますので、「保存料は使用していません」と表示できる訳ですね。
健康に配慮して保存料不使用の食品を買ったつもりが、体に多大なダメージを与えるトランス脂肪酸を大量に使用された食品だった、という可能性も十分あります。恐いですよね。でも悲しい事にそれが現実なんです。
なぜ日本でトランス脂肪酸が多用されているか
普通に考えたら食品が長期間腐らないという不自然な状況というのは異常ですよね。この異常な状況による弊害は必ずありますので、便利だからと安易に考えずに少しでも事情を確認した方が無難ですよ。あなただけが大丈夫という根拠は、もちろん何もない訳ですから。
あなたやあなたの家族の安全は、自分達で守るしかありません。周りが気にしていないからという理由で自分も気にしないというのは確かにラクですね。色々情報を得て対応するのは労力が必要です。しかしこういう事で周囲に流されるのは非常に危険なんですね。
日本は以前、世界でもトップレベルの健康な食文化を持っていましたが、悲しい事に近年世界でも心身共に病気が多い病んだ国となってしまいました。
企業の利益を優先してしまったというのが大きな原因なんです。実際規制しないことで経済効果が得られている事実もあるでしょう。しかし悪いのはそういう食品を作っている側だけではないんです。それを選択している消費者である我々にも問題があるんです。
「生野菜は体を冷やす?効果的な食べ方とは?」の8項でも書いていますが、トランス脂肪酸を含んだ食品を何も考えずに購入するという事は、そのような食品に一票を投じている事でもあります。
消費者が買わなければ供給する側も提供しません。というか出来ませんよね。購入する場合はそういう意味もあるっていう事を認識しといた方が良いです。
トランス脂肪酸による弊害
トランス脂肪酸は体に様々な悪影響を及ぼしますが、具体的にどのような弊害が発生するのでしょうか。
体内で分解されにくい為、悪影響を受ける期間が長くなる
人工的に作られたトランス脂肪酸は食品というより工業製品に近いんです。構造はプラスチックのようなもので、自然界にはほとんど存在しません。このような不自然な食品は体内で分解されにくいんです。
分解されにくいとどうなるかというと、どんどん体内に蓄積されるわけです。有害な物質を長期間体内に滞留させることになり、その間体はずっとダメージを受け続けます。
細胞膜がダメージを受ける事で皮膚の状態も悪化
トランス脂肪酸は細胞に対しダイレクトにダメージを与えます。細胞膜は脂質によって作られていますが、そこにトランス脂肪酸が加わると、細胞膜が不安定になってしまうわけですね。
細胞膜はセンサーのような役割があり、通常なら有害物質などを取り込まないような構造になっています。ところが不安定になってしまうと、有害物質を簡単に取り込んでしまいます。
これにより化学物質から防御できなくなったり、細菌に感染して皮膚病の原因にもなり、悪影響は計り知れないんです。
そのような状態の時に石油系合成界面活性剤を使用した商品などを使うと、皮膚から経皮毒をどんどん吸収してしまいます。悪影響が加速していって恐ろしいです。
健康上様々な弊害が!
他にも具体的な影響としては、LDL(悪玉)コレステロールを増加させ、反対にHDL(善玉)コレステロールを減少させます。
動脈硬化や心筋梗塞、狭心症などの心臓疾患、ガンやアレルギー等々、様々な悪影響が報告されています。
トランス脂肪酸は脳への悪影響も大きい
また、トランス脂肪酸は脳が活動するために必要な酵素を破壊してしまいますので、脳にも悪影響をおよぼします。
そもそも脳は60%が油で出来ています。ですので、良質な油を摂ることは脳を健康に保つためには必要不可欠です。にも関わらずトランス脂肪酸をとり続けると、脳の健康が損なわれ、結果情緒不安定となり、うつ等に発展する恐れがあります。
トランス脂肪酸の対極にある良質な油とは?
良質な油の代表的なのはオメガ3脂肪酸と言われる不飽和脂肪酸です。オメガ3脂肪酸といえばDHA・EPAですが、亜麻仁油やイワシ、サバなどの青魚に含まれる魚油から摂取する必要があります。
青魚を大量に摂取するのはなかなか難しいですよね。そのような場合は良質なサプリメントから補助的に摂取するのもアリです。
具体的にはどのような食品を避けるべきか
トランス脂肪酸が多い食品の代表的なものは、マーガリンやショートニング、ファットスプレッドがあります。
マーガリンは市販されている食パンには必ずと言って良いほど含まれます。そこにさらにマーガリンをぬると、相当なトランス脂肪酸を食べる事になる訳です。日常的に朝は食パンにマーガリン、という人も少なくないでしょう。
そのような食生活は今すぐにでも止めるべきです。猛毒を毎朝摂取しているようなものですので。
市販されているパンには食パンに限らず菓子パンにも含まれていますが、菓子パンは糖分も大量に含まれるため、出来るだけ避けたほうが良いでしょう。食材などにも出来るだけこだわり、可能な限り安全な食生活を心がけましょう。
あとはコーヒーフレッシュ、アイスクリームにも大量に含まれているほか、コンビニの弁当、おにぎりなど、コンビニの食品には特に大量のトランス脂肪酸が含まれています。
コンビニの食品は腐り辛いものが非常に多いですよね。コンビニ弁当なんて炎天下で放置しても腐りませんから。
ものすごく常識的に考えて欲しいのですが、これは明らかに異常ですよね。あなたが手作りした弁当を炎天下にさらすと数時間で腐ってしまうはずです。それが腐らないというのは不自然であり、悪い要素も必ず含まれているんですね。まず体に悪くないわけが無いんです!
トランス脂肪酸を避けるには
トランス脂肪酸は今やあらゆる食品に使用されています。完全にゼロにするのは難しいですが、有害性を考えると出来るだけ避けるべきですよね。
すでに書いたように、マーガリンを始めとして、ほぼもれなく入っている食品は、食べないようにしましょう。あとは成分欄をできるだけチェックし、
・ショートニング
・ファットスプレッド
・加工油
などが表示されている場合は極力買わないようにしましょう。
日本はほとんど規制が無いに等しいので、単に食物性油脂と書いていても、トランス脂肪酸が含まれている場合も多々有ります。ですので避けるにも色々と調査する必要があります。
価格が異様に安い商品は避けた方が無難です。また、不明な場合はメーカーに直接問い合わせるのもひとつの手段です。色々と工夫すると良いでしょう。当ブログでも厳選した商品を紹介していますので参考にして下さい。
このような知識を持った意識の高い人は日本には驚くほど少ないです。かといって周りに流されずに、自分の為と思って取り組むようにしましょう。基本的に自分の身は自分で守るしかありません。
ただし自分で身を守れない幼い子どもは親が守るしかありません。妊娠中や幼い子供を持つ親としては、極力注意して対応してほしいです。小さい子供は根気よく言い聞かせれば、少しずつでも理解していきます。
なにより小さければ小さい子供ほど受けるダメージは大きいです。これから何十年も生きて行く上での色んな基礎も形成されます。心身ともに健康な状態を保つための土台となる情報を余すこと無く伝えましょう。
まとめ ― トランス脂肪酸などマイナス要素を減らすのを優先すべき
トランス脂肪酸は、健康上の理由はもちろんですが、肌荒れや経皮毒、脳への影響などかなり多岐にわたり、しかも深刻です。まずはトランス脂肪酸など、体にとってのマイナス要因を極力減らすことを優先させましょう。